- 自動化&業務効率UP
FA機器のトラブルシューティング|故障原因と対策まとめ

INDEX
FA(ファクトリーオートメーション)機器は、製造現場の生産性や品質を維持するために不可欠な存在です。しかし、長期稼働や環境要因によって故障が発生すると、生産停止や品質不良などの重大な問題につながります。ここでは、よくある故障原因とその対策について生産現場の保全・メンテナンス担当部署向けに解説します。
FA機器の故障は事前に防ぐ
FA(ファクトリーオートメーション)機器の故障は、生産停止・品質不良・納期遅延といった深刻な影響を及ぼします。保全・メンテナンス部門にとって、故障の原因特定と的確な対応策は、生産ラインの安定稼働に欠かせない重要な業務です。

よくあるFA機器の故障原因
経年劣化・摩耗
- 特徴:時間の経過とともに発生する部品の消耗や素材の劣化。
- 具体例:冷却ファンの回転数低下、コンデンサの容量低下、パッキンの硬化など。
- 対策:部品の寿命を定期点検に基づき把握し、事前交換を計画的に実施。
熱・湿気・塵埃による環境要因
- 特徴:制御盤内部の高温・湿気、粉塵・油煙による短絡や腐食。
- 具体例:基板の腐食、インバータ焼損、端子台の接触不良。
- 対策:盤内温度管理(冷却ファン・エアコン)、密閉性の強化、定期清掃。
電源・配線トラブル
- 特徴:電圧変動、ノイズ、ケーブルの断線・接触不良など。
- 具体例:PLCの再起動、センサーの誤作動。
- 対策:電源の安定化(UPS導入)、シールド線やフェライトコアの活用、配線固定の見直し。
ソフトウェア・プログラム起因
- 特徴:ラダー変更ミスやファームウェア不具合による異常動作。
- 具体例:タッチパネルの応答遅延、動作シーケンスの崩れ。
- 対策:変更時は事前シミュレーションとレビューを徹底、不具合検知後は早期ロールバック。
故障の前兆を見逃さないチェックポイント
チェック箇所 | 異常の兆候 | 推奨対応 |
冷却ファン | 異音・回転停止 | 月次点検・交換目安の設定 |
制御盤内温度 | 高温異常警報 | 換気設備の強化 |
接点・端子部 | 焦げ跡・変色 | 増し締め・端子交換 |
ケーブル | 被覆の破損 | 断線前に予防交換 |
トラブルを防ぐには?
FA機器は壊れてから直す「事後保全」ではなく、壊れる前に手を打つ「予防保全」が鍵となります。また、旧型機器や保守終了品の継続使用はリスクを高めます。
推奨アクション
- 稼働年数が10年を超える制御機器のリプレース検討
- 記録に基づくトラブル傾向の可視化
- メーカーまたは専門業者への定期的な診断依頼